コンテンツマーケティングにおける著作権問題
コンテンツマーケティングで大切なことは、ユーザーに有益なコンテンツを作ることです。
しかし、有益ならなんでも良いというわけではなく、コンテンツの著作権に気をつける必要があります。
著作権とは、自身が作成した創作物に対して、その独占権を得ることです。知的所有権の一つであり、唯一無二のオリジナルコンテンツは「著作権法」によって守られています。
他人の作成したコンテンツを無断で使用し、あたかもオリジナルコンテンツのように表示させることは、著作権法違反となります。
Webサイトを運営している方の場合で例えると、他人のWebサイトの記事コンテンツをそのままコピー&ペーストして公開することは著作権の侵害にあたります。一部を抜粋した場合でも同じです。
コンテンツマーケティングで著作権に触れないために注意すべきこと
コンテンツマーケティングを行う前には、どんな表現や記載の仕方が著作権に触れるのかを理解しておく必要があります。
以下では、著作権について注意すべきことをご紹介します。
著作権の対象とは
著作権の対象とは、「著作者の感情や考えが反映された文芸・学術・美術・音楽」に対して付与されるものです。創作物の品質は関係なく、「著作者の意思」が反映されていれば、この世にあるほとんどのものに対して著作権が適用されます。
以下は、著作権の適用される創作物をまとめたものです。
項目 | 適用される創作物 |
IT | コード・プログラム |
言語 | 記事・小説・論文・手紙・作文・レポート |
音楽 | 楽曲・歌詞 |
美術 | 漫画・絵画・版画・美術工芸品(壺など) |
映画 | すべての映像 |
写真 | 個人が撮影したとされる画像 |
地図・図形 | ジオラマ・模型・図表 |
舞踊、無言劇の著作物 | バレエ・日本舞踊・その他振り付け |
少なくともこれらの項目には著作権が付与されます。
引用元を明記する
著作権の付与されているコンテンツは、必ずしも使用を禁じられているわけではありません。
著作権の法律第32条には「公表された著作物は、引用して利用することができる」と記されています。これは、引用元を明記することで著作権を侵害しないということです。
参考・文化庁
引用の認められる範囲
ただし、著作権は引用さえすれば、他社の創作物を自由に使用してもいいというわけではなく、引用が認められる範囲はあらかじめ決まっています。以下をご覧ください。
- 主従関係がはっきりしている
- 本文と引用がわかりやすいよう区切られている
- 本文を説明するために引用が必要である
引用の認められる範囲は、上記の3つになります。これらの条件を満たしていない場合は、引用が認められません。
正しく引用するためのテンプレートをご紹介
Webサイトを運営している方は、記事中に引用を記載する際に方法がわからないという方もおられるのではないでしょうか。その場合は、以下のテンプレートをお使いください。
【引用・〇〇(引用元のURL)|〇〇(引用サイトの名前)】
使い方としては著作権のついた創作物。そのすぐ下にテンプレートを挿入し、〇〇の部分を埋めてください。
また、テキストコンテンツを引用する際には、引用元の文章を一語一句変更しないように気をつける必要があります。理由は、引用元と異なる文章を貼り付けてしまうと「著作者人格権」の侵害となってしまうからです。
これは文章に対してのみ適用されるのではなく、画像やその他創作物のいかなる変更は許されません。
著作権以外にも注意すべきポイント
コンテンツマーケティングを行う上で、注意すべきポイントは著作権だけではありません。以下では、肖像権と個人情報の取り扱いについてご説明します。
肖像権について
肖像権とは、インターネット上で自分の顔や姿が無断で掲載されないよう守る権利のことです。意図しない掲載であっても、肖像権は適用されます。
また、パブリシティ権にも注意しなければなりません。パブリシティ権とは芸能人や有名人の写真を無断で使用させないための権利です。
肖像権とパブリシティ権を侵害してしまうと、相手側から損害賠償を請求される可能性があります。人の顔や姿が映っている画像や動画を使用する場合は、モザイクをかけるなどして個人が特定されないように配慮しましょう。
個人情報について
コンテンツの作成に際し、個人が関わる場合には個人情報の取り扱いに注意しなければなりません。
具体的には、個人が特定できるような情報(住所や本名)を記載してはならないということです。肖像権と同様で損害賠償を請求される可能性があるので注意が必要です。
コピーサイトの危険性
コピーサイトとは別名スクレイピングサイト・スクレイパーサイトと呼ばれています。すでに公開されている他サイトのコンテンツをコピーし、自サイトへ掲載するといった、著作権法違反を犯しているサイトのことです。
コンテンツマーケティングでは、オリジナルのコンテンツを作成することが必要不可欠ですが、コピーサイトから自社メディアのコンテンツを守ることも大切です。
以下では、コピーサイトが及ぼす危険性についてご説明します。
オリジナルよりもコピーサイトが上位表示される可能性がある
コピーサイトにコンテンツを盗用された場合、Googleの検索エンジンがオリジナルのコンテンツではなく、コピーサイトのコンテンツを評価し、上位表示する可能性があります。
そして、オリジナルは重複コンテンツと見なされ、順位を大幅に下げられるだけでなく、インデックスから削除、つまり検索結果に反映されなくなってしまうのです。
労力をかけて作り上げたコンテンツであるにも関わらず、盗用されたコンテンツの方が高い評価を受けるのでは、溜まったものではありませんよね。そんなことにならないよう、コピーサイトから自社コンテンツを守る必要があります。
オリジナルが著作権に触れる場合がある
最悪の場合、自社で作成したにも関わらず、オリジナル側がコピーと見なされ、コピーサイト側から著作権侵害で損害賠償を請求される可能性もあります。
Googleもアップデートを繰り返し、コピーサイトを評価しないシステムは導入しています。ただ、まだ完璧でない部分も多く、現在もコピーサイトは横行しているのです。
とはいっても、自社のオリジナルコンテンツのコピーは防ぎたいところ。以下では、コピーサイトに自社コンテンツを盗用されないための3つの施策をご紹介します。
自社コンテンツをコピーされないためにすべき3つの施策
自社コンテンツをコピーされないための3つの施策は以下の通りです。
- プラグインを導入する
- htnlにコードを追加する
- Googleに「DMCA申請」を行う
これら2つについて詳しくご説明します。
プラグインを導入する
Webサイトの運営にWordPressを使用しているのであれば、コンテンツのコピーを防ぐ「WP-Copyright-Protection」を導入しましょう。
このプラグインは、Webサイト上の右クリックを禁止してくれます。これにより、記事や画像といったコンテンツを簡単にコピーされることを防ぐことができます。
ただ、1点だけデメリットがあります。それはオリジナルコンテンツを拝読する読者が、文章をコピーできないということです。読者もコンテンツの文章をコピーします。
しかし、そのコピーはコンテンツを盗用するためではなく、「分からない単語を調べるため」や「引用したい」という方が多いです。そのために、多少のユーザービリティは下がってしまいます。
コピー禁止のプラグインを導入する際には、考えられるリスクを理解しておく必要があります。
HTMLにコードを追記する
上記ではWordPressのプラグインを使ったコピー禁止についてご説明しましたが、HTMLについて知識のある方ならのコードを追記する方法もあります。
ページ全体で「Ctrl+C」や「右クリック→コピー」を禁止
以下のようにbodyタグに『onCopy=”return false;”』を追記してください。
<body onCopy="return false;">(サイトのコード)</body>
特定に要素で「Ctrl+C」や「右クリック→コピー」を禁止
以下のように、コピーを禁止したいタグに『onCopy=”return false;”』を追記してください。
<div onCopy="return false;">(コピーを禁止したい部分のコード)</div>
ページ全体で「右クリック」を禁止
以下のように、bodyタグに『onContextmenu=”return false;”』を追記してください。
<body onContextmenu="return false;">(サイトのコード)</body>
これらの方法で、簡単にコピーされることを防ぐことができます。
なお、プラグインの時と同様、ユーザービリティが低下するデメリットがあることは理解しておきましょう。
Googleに「DMCA申請」を行う
自社のオリジナルコンテンツのコピーサイトを発見した場合は、直ちにGoogleにDMCA申請を行いましょう。DMCA申請とは、デジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act)の頭文字をとった略語で、デジタル面の著作権のことを言います。
DMCAを活用すれば、コピーサイトのコンテンツを検索結果から除外させることができ、リスクを最小限に留めることができます。
ただ、DMCAは悪用される可能性も否めません。というのも、過去にはコピーサイトがオリジナルにDMCA申請をし、検索結果を不当に操作するといった事例がありました。
申請を受けたGoogleはオリジナルコンテンツにペナルティを科したのです。このようにDMCA申請は悪用される場合があります。
もしコピーサイトを見つけた場合には、コピーされていることを判断した上で、早急にDMCA申請を行いましょう。
まとめ
- ここまで著作権について解説してきた。
- 自分で意識していなくても著作権侵害で訴えられる可能性はあるので注意が必要。
- また、自社サイトのコンテンツを守ることも大切。
- コピーされていないかもチェックして、対応しましょう。
ここまで著作権について解説しました。著作権は自分では意識していなくても著作権侵害で訴えられる可能性があるので、注意が必要です。
また、自サイトのオリジナルコンテンツを守ることも大切です。日々コンテンツがコピーされていないかをチェックし、見つけた場合にはDMCA申請をするなど、迅速に対応しましょう。