強調スニペットとは?
冒頭でもご説明したように、
強調スニペットとは、検索結果の最上部に表示される、検索キーワードに最も合致した回答を表示させる仕組みのことです。強調スニペットは四角い枠に囲まれて表示されるため、基本的にどのようなユーザーが検索しても目を引く形になっていることが特徴です。
また、強調スニペットは、ユーザーの利便性を向上させるために採用していると言われており、表示させる文言はアルゴリズムによって自動的に判断されます。
Google では、ユーザーの質問に対する回答がページに含まれていることをシステムで判断し、その結果を強調スニペットとして表示します。
引用:
Google Search Console「強調スニペットとウェブサイト」
また、強調スニペットはキーワードによって表示されるタイミングが異なることもあるため、そのあたりについて次で紹介します。
表示されるタイミングについて
強調スニペットは、すべての検索キーワードに対して表示されるわけではありません。
強調スニペットが表示されるタイミングは、「検索キーワードが質問であると判断された場合に表示される」とGoogleが公言しています。
たとえば、「SEO対策」といった単体のキーワードでは強調スニペットが表示されませんが、「SEO対策 費用」というキーワードでは、強調スニペットが表示されています。(2021年3月時点)
上記の例を見て気づいた方もいるかもしれませんが、検索キーワードに質問文が含まれていなくても、強調スニペットが表示されるということです。ここで言う質問文とは、「〇〇とは」「〇〇 方法」などが挙げられます。
Googleは、年々検索キーワードに対する返しの精度を向上させているため、質問文が含まれていなくても、質問の意図が読み取れれば強調スニペットとして表示させているということです。
そのため、強調スニペットに自社のWebサイトを表示させる可能性を高めるためにも、質問系のキーワードは積極的に狙ってみるのもありかもしれません。
強調スニペットに表示されるメリット
ここからは、強調スニペットに表示させるメリットを2つ紹介します。
- 音声検索で表示される可能性がある
- 流入が増えることに期待ができる
それぞれのメリットを順番に見ていきましょう。
音声検索で使用される可能性がある
まず、強調スニペットとして表示されることによって、音声検索で使用される可能性があります。音声検索とは、ユーザーがテキストでキーワードを検索するのではなく、音声で検索する方法のことを指します。
Google の強調スニペットの仕組みを参考にすると、Googleアシスタントを使用して検索する際、音声が出力されることがあるとされています。
強調スニペットは、検索結果の上部にある専用ボックスの中にあり、リンクの上には説明文が表示されます。Google アシスタントで検索すると、強調スニペットが音声出力されることもあります。ほとんどの場合、強調スニペットにはリスティングが 1 つしか含まれません。
音声検索は、検索方法の20%を占めているというデータも出ています。今後もテキストとあわせて主流の検索方法となっていくことが予想できるため、今のうちから対策をしておくことで、大きな流入の増加に期待ができるでしょう。
音声検索「VSO」の7つの対策方法【特徴や今後の傾向について】
流入が増えることに期待ができる
次に、強調スニペットの最大のメリットとも言えるのが、検索流入の増加です。
強調スニペットは、検索結果の最上部(検索0位)に表示されるため、検索1位の記事のCTR(クリック率)を部分的に奪うことができます。
SEO対策ツールとして有名な「ahrefs」は、下記のようなデータを公開しています。
原文:
When there’s a featured snippet at the #1 position, it only gets ~8.6% of clicks (on average), while the page that ranks right below it will get ~19.6% of clicks (on average).
How does it compare to a regular #1 ranking page with no featured snippet above it? That page will get ~26% of all clicks.
In other words, it looks like the featured snippet is stealing clicks from the #1 ranking result.
Featured snippet is stealing clicks from the #1 ranking result / from @ahrefs study
翻訳:
#1の位置に注目のスニペットがある場合、クリックの最大8.6% (平均)しか得られませんが、そのすぐ下にランク付けされたページのクリックは(平均) 最大19.6%になります。
抜粋のない通常の1位のランキングページと比較してどうですか? そのページは、すべてのクリックの最大26%を獲得します。
言い換えれば、注目のスニペットは、ランキングの第1位の結果からクリックを盗んでいるように見えます。
注目のスニペットは、#1ランキング結果/ @ahrefs調査からのクリックを盗みます
引用:
Ahrefs’ Study Of 2 Million Featured Snippets: 10 Important Takeaways
まとめると、強調スニペットはSEO1位の記事よりもCTRが低いものの、SEO1位のCTRを一部獲得しているとされています。こうした検索流入の増加に期待できることが、強調スニペットとして表示される最大のメリットです。
最高のSEOツール「Ahrefs」とは?使い方や機能を解説
強調スニペットの4つの種類

強調スニペットは、合わせて4つの種類にわかれています。ここでは、その4種類を簡単にご説明します。
画像と文章
まず、最も一般的な強調スニペットが「画像と文章」です。文章に関しては、コンテンツの中で「pタグ(段落タグ)」で囲まれた部分が抜粋される形となっており、平均して150文字前後が表示されるケースが多くなっています。
画像に関しては、当該コンテンツに使用されている中の1枚が抽出されるケースが多いです。しかし、すべての強調スニペットに表示されるわけではなく、あくまで文章のみのケースもありますし、文章と画像がセットになって表示されるケースもあります。
動画
強調スニペットには、YouTube動画が表示されることもあります。「特定の歌手名+曲名」で検索する際に強調スニペットが表示されるケースが多く見られており、同時に、「歌詞」「配信中」「他の人はこちらも検索」といったサブコンテンツも複数表示される傾向にあります。
リスト
リストタグが強調スニペットとして表示される場合は、必ずセットで「h1タグ」でマークアップしたテキストも表示されます。また、リストタグは「 ul / ol / li 」のいずれかでマークアップされたテキストが表示されます。
強調スニペットには、最大で8個までのリストタグが表示される仕組みとなっており、仮にh1タグが「〇〇のランキング10選」といった形でも、最大で8個までしか表示されません。
したがって、より強調スニペットのCTRを高めるためには「あえて8選以上のコンテンツを用意」し、実際に本文を見てみないと全体の概要がわからない仕掛けをしてみるのもありでしょう。
表
強調スニペットに表が表示される場合は、「h3タグ」でマークアップしたテキストが抽出されます。その中でも、「tableタグ」で囲まれた部分が強調スニペットとして抽出され、最大で横3列、縦4行まで表示されます。
仮に、これ以上の列数もしくは行数がある場合は、「他1行」などのように、対象となる部分がテキストリンクとして表示される仕組みになっています。
強調スニペットとナレッジパネルの違いは?
強調スニペットと似たものとして、「ナレッジパネル」と呼ばれる仕組みがあります。もしかしたら、これら2つを同様の仕組みだと思われている方もいるかもしれません。しかし、これら2つには明確な違いがあります。
まず、強調スニペットに関しては、Webページ内から特定の情報を抽出し、検索結果の最上部に表示されるものとなっています。
一方のナレッジパネルに関しては、Googleが所有する知識をベースに、検索結果の右側部分に表示されるという違いがあります。
また、ナレッジパネルはPC検索の際は検索結果の右側に表示されますが、スマートフォンで検索した際は、強調スニペットの下に表示されます。つまり、強調スニペットとナレッジパネルは、表示される仕組みも位置もまったく異なるものだと理解しておきましょう。
強調スニペットを表示させる5つの方法
ここからは、強調スニペットを表示させるための5つの方法について解説をします。なお、この記事でも解説しているように、強調スニペットはすべてのキーワードで表示されるわけではありません。加えて、今から解説するのは、あくまで強調スニペットを表示させやすくするための方法であるため、必ずしも表示されるわけではないことをご了承ください。
- キーワードを上位表示させる
- コンテンツポリシーに準拠する
- 簡潔な内容で回答する
- すでに表示されているスニペットの傾向を理解する
- HTMLを適切にマークアップする
では、それぞれの方法を1つずつ解説します。
キーワードを上位表示させる
まず、前提として強調スニペットに表示させるためには、コンテンツを特定のキーワードで上位表示させる必要があります。実際、強調スニペットに抽出されているのは、99%がSEOで10以内を獲得している記事となっています。
キーワードで上位を獲得できないと強調スニペットに表示されるチャンスも得られないため、最低限のSEO対策は講じるようにしましょう。
コンテンツポリシーに準拠する
Google の強調スニペットの仕組みでは、強調スニペットに関するコンテンツポリシーが設けられています。
- 露骨な性表現
- 暴力的である
- 差別的である
- 有害で危険である
- 公共性の高いトピックにおいて広く合意が得られている内容と反している
コンテンツポリシーでは、上記5つが基準として設けられています。日頃から健全に運営していれば反することはないでしょうから、特に気にする必要はないかもしれません。
簡潔な内容で回答する
強調スニペットは、ユーザーの疑問に対して、適切な部分のみを抽出される仕組みとなっています。つまり、ユーザーの疑問に対して、簡潔な回答を用意してあげる必要があります。
たとえば、
「〇〇とは」でキーワード対策をするならば、「〇〇とは、〇〇のことです」などのように、その1部分を見ただけで内容を理解できるように記載することが重要です。
すでに表示されているスニペットの傾向を理解する
次に、すでに表示されている強調スニペットの傾向も理解するようにしましょう。2021年3月現在、「SEO対策 費用」で検索をすると、表の形式で強調スニペットが表示されています。加えて、「SEOコンサルティング」「コンテンツSEO」など、SEO対策に関連するキーワードも表の中に含まれています。
こういった既存の強調スニペットの傾向を理解することで、強調スニペットに採用されやすい回答を鮮明にイメージすることが可能です。さらに、
そのイメージ通りにコンテンツを作成することで、強調スニペットに採用される可能性も高くなるでしょう。
HTMLを適切にマークアップする
最後に、適切なHTMLでマークアップするようにしましょう。適切なHTMLマークアップとは、
HTML: HyperText Markup Languageのサイトで紹介されているW3Cの定義を集約したものになります。難しく聞こえてしまうかもしれませんが、テキストであれば「pタグ」、リストタグであれば「 ul / ol / li 」など、普段から使用しているタグでマークアップする形で問題ありません。
なぜ適切なHTMLでマークアップする必要があるかと言うと、クローラビリティを向上させるためです。クローラーはマークアップされたHTMLを基にWebサイトをクローリングするため、不適切なHTMLを使用してしまうと、コンテンツの内容を正確に把握することができなくなります。
つまり、
どれだけ強調スニペットに最適化された文章であったとしても、HTMLの間違いによって、強調スニペットに表示される可能性が低くなってしまうということです。できる限り強調スニペットに表示させる可能性を高めるためにも、適切なHTMLでマークアップすることを心がけましょう。
強調スニペットを非表示にする理由と方法
強調スニペットには注意点があり、強調スニペットとして検索結果に表示されることでクリック率が下がったり、強調スニペットより下にある記事の方が、クリックされたりする場合もあります。
強調スニペットとして表示されないようにするには、以下の方法があります。
- 「nosnippetタグ」を設定する
- 「data-nosnippetタグ」をテキストに設定する
- 「max-snippetタグ」を設定する
「nosnippetタグ」を設定する
headタグ内に下記のコードを記述することで、ページ全体が強調スニペットに表示されないように設定できます。
<meta name="robots" content="nosnippet" />
「data-nosnippetタグ」で表示させたくないテキストを設定
ページの一部分だけを非表示にする場合、data-nonsnippet属性を付けたタグでテキストを囲えば設定できます。
<span data-nosnippet>表示させたくないテキスト</span>
「max-snippetタグ」を設定する
強調スニペットとして表示される部分の文字数を制限することができます。
指定する場合、「nosnippetタグ」と同様で、head内に下記のタグを記述しましょう。下記では30字を最大文字数としており、31文字以上の抜粋はされません。
<meta name="robots" content="max-snippet:30">
強調スニペットの注意点
強調スニペットは目立たせて表示できるなどメリットがあるものの、デメリットや注意点もあります。
- 通常の検索結果に表示されない
- Googleの仕様変更に影響される
- ゼロクリックサーチの一因となる
通常の検索結果に表示されない
強調スニペットで表示される記事は、露出自体が減るわけではないものの、広告と勘違いしたユーザーがクリックしない可能性があります。
Googleの仕様変更に影響される
強調スニペットは、Googleの仕様変更によって定期的にアップデートされています。アップデートがあった際、表示している内容に変化がないか確認しましょう。
ゼロクリックサーチの一因となる
強調スニペットは、検索結果上で回答を表示しているため、ユーザーによっては強調スニペットで表示されている内容だけを理解しページを閲覧しない可能性があります。検索結果をクリックをしないため、「ゼロクリックサーチ」と呼ばれています。
ゼロクリックサーチは、ユーザーにとって最小アクションで回答がわかるメリットがあります。しかし、サイト運営者からするとクリック率が下がり、アクセスを減らすデメリットと言えるでしょう。
まとめ:方法を理解して強調スニペットを表示させましょう

ここまで強調スニペットの特徴や、表示させる可能性を高める方法について解説してきました。強調スニペットに表示されることによって、音声検索での流入や、CTRの上昇による流入の増加に期待ができます。
まずは、キーワードで上位表示させることを前提に、すでに採用されている強調スニペットの型を調べることから始めてみてはいかがでしょうか。
弊社では、お客様のWebサイトをSEOの観点からサポートする「SEO診断サービス」をご用意しています。昨今では、単にキーワード対策だけをしていても、SEOで上位表示させることはできません。
そのため、弊社のSEO診断サービスを利用していただき、多角的な観点から改善点を洗い出してみることをおすすめします。
SEO診断の詳しい内容はこちら