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高速化
UI/UXはSEO業界の中でも、SEOに影響しているという考えに対して、肯定派と否定派の2つが混在しています。ただし、GoogleはUI/UXを重要視しているため、SEOに影響していることは間違いありません。
そこで本記事では、UI/UXの違いやSEOとの関係性、SEOを踏まえた改善方法をご紹介します。また、UI/UX設計を行う際の重要な考え方も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
株式会社アダムテクノロジーズ 執行役員。
ユーザーニーズと最も近いSEO対策で、あらゆるビジネスを加速させ、より良い社会の実現を目指す。
入社から5年間で100社以上のSEO対策に従事し、様々なジャンル・キーワードでの上位表示を実現。顧客目線での目標達成にコミットしたSEOコンサルティングが強み。
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まずは、UI/UXの違いを解説します。そもそもUI/UXとは、下記2つのことを指します。
では、それぞれの違いを順番に見ていきましょう。
UI(ユーザーインターフェース)とは、ユーザーとの接点を最適化させる施策のことです。接点はボタンの位置やレイアウトと捉えられがちではあるものの、単にユーザーが触れる範囲のみがUIというわけではありません。
WEBサイト内の導線や画像の解像度、スワイプをする際の操作性が優れているかもUIの一部です。したがって、WEBサイトにおけるUIは、WEBサイト内のデザインや操作性のすべてがユーザーに最適化されているかを表すということです。
一方のUX(ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザー体験の指標のことです。噛み砕いてご説明すると、ユーザーがWEBサイトを触った後に感じる、体験や感情を左右する要素になります。たとえば、UXには下記の要素が影響します。
上記を見て判断できるように、UXの中の一部としてUIが存在しています。綺麗で整ったデザインのWEBサイトであり、ユーザーが感動した体験を得られたのであれば、UIがUXに大きく貢献していると言えるでしょう。
ここまで、UI/UXの概要を解説してきました。しかし、具体的にSEOに影響するのか、不明確に感じている方は多いのではないでしょうか。ここからは、下記3つのUI/UXとSEOの関係性をご説明します。
それぞれ順番に見ていきましょう。
Googleは「Googleが掲げる10の事実」という考え方のバイブルを公開しており、その項目の1つ目として「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」と明記しています。加えて、上記の最後には「新しいツールやアプリケーションを開発するときも、もっと違う作りならよかったのに、という思いをユーザーに抱かせない」と発信されています。
つまり、上記はWEBサイトのUXを考える上で非常に重要です。ユーザーに不満を抱かせず、満足度を最大化させた上でコンテンツを読ませることができれば、結果的にSEOに好影響をもたらすと考えて良いでしょう。
コンテンツは、最後まで読んでもらえることがSEOにとって非常に重要です。長文のコンテンツは関連キーワードなどを網羅でき、一見するとユーザーに価値のある情報を提供しているように思えますが、ユーザーは長文と気付いた瞬間に離脱する傾向にあります。
そのため、ユーザー自身が今どのコンテンツを読んでいるのかを、見出しや目次を適切に使いながら伝えることが大切です。
また、ページの途中でユーザーが離脱してしまうと、離脱率や滞在時間などのSEO指標が悪くなります。これらは検索順位に悪影響を及ぼすため、長文でユーザーニーズを満たそうとするのは得策ではありません。必ず、ユーザーが求めている意図に応えるだけの文字数でコンテンツを公開することが重要です。
ユーザーが読みやすいコンテンツに仕上げることでUXが改善するため、結果的にSEOの成功にも繋がるでしょう。
2015年に「Googleのゲイリー・イリェーシュ」氏は、UXはコンテンツ以上にランキングに影響を与えることはないと明言しています。つまり、SEO対策を行う上で最も重要なことは、ユーザーに価値のあるコンテンツを提供することです。
そして、価値のあるコンテンツに提供するための要素の1つとして、整ったデザインやレイアウトなどのUI/UXが密接に関係しています。
また、ユーザーにとって価値のあるコンテンツとは、検索意図を適切に満たしているコンテンツのことを指します。仮に検索意図を満たしていない場合は、UXを最大化させることができず、他の競合記事にユーザーは逃げてしまうでしょう。
Googleは、自社のコンテンツを見た後に、ユーザーがどのような行動を起こしたかも分析しています。つまり、他の記事にユーザーが逃げてしまうと、自社のコンテンツは魅力のない情報だと判断され、SEOにも悪影響を及ぼします。
したがって、UX以上に重要なことはコンテンツであることを理解し、まずはユーザーに価値のある情報を届けることを念頭に置きましょう。
先程、UI/UXとSEOの関係性を解説しました。それらを踏まえて、ここからはSEOにおけるUI/UXの改善方法を解説します。
それぞれ順番に見ていきましょう。
まずは、ナビゲーションをひと目でユーザーに理解させましょう。ナビゲーションと一口に言っても種類は複数あり、ヘッダーやフッター、ハンバーガーメニューなどは代表例です。これらの項目を見て、どこに何があるかをユーザーが判断できなければUXが低下します。
また、ユーザーが自身でたどり着きたいページに遷移できるよう、検索バーをWEBサイトに設置することも大切です。ユーザーが混乱しないようにUIを最適化することで、ユーザーは「このページは分かりやすいコンテンツ」だと判断し、UXが向上していきます。
次に、ページスピードを最適化させましょう。ページスピードが遅いと、ユーザーが求める情報をいち早くキャッチアップできないため、UXに悪影響を及ぼします。本記事を読んでいる方の中にも、気になる情報を発信しているWEBサイトがあったものの、表示スピードが遅いことにより、結果読まなかったという経験があるのではないでしょうか。
検索行動をしているユーザーは忙しく、情報の取得までに時間がかかるのを潜在的に許せません。そのため、ページスピードの最適化はUXにとって非常に重要です。
見出しタグを最適化することで、ユーザー満足度が向上します。なぜなら、ユーザー自身が、今どのような情報を取得しているのかを可視化できるためです。なお、見出しタグの最適化はSEOにも直結するため、UI/UXの観点のみならず、検索順位を上げる際にも重要視する必要があります。
具体的な最適化としては、基本的にh1はページ内に1つだけ使用します。titleタグに設定している内容を、そのままh1として使用すると良いでしょう。
また、h2以降は本文で使用します。1つの親トピックをh2に設定し、それらに関連する内容をh3で設定していきます。たとえば、h2で「WEBサイトのデザインで重要なポイント」という内容を設定したのであれば、h3は「フォント」や「レイアウト」などの内容を設定することが考えられます。
ユーザーがひと目で可視化できる内容を見出しタグに設定し、情報をより適切に伝えられる工夫をしましょう。
滞在時間はUXのみならず、SEOにおいても非常に重要です。Googleは、できる限りユーザーをGoogle上に留めてほしいと考えています。そのため、滞在時間の長いページをSEO的に評価する傾向にあります。
滞在時間を延ばす工夫の例としては、インフォグラフィックなどの図解を加えたり、YouTube動画を埋め込んだりします。WEBサイトを経由してYouTubeを再生する場合は、その時間も加算されるため、滞在時間を延ばす際に有用です。
また、滞在時間の長い記事はCVRも向上する傾向にあるため、WEBサイト上でのお問い合わせを獲得できる可能性も高まるでしょう。
直帰率とは、ユーザーが他のページに遷移せずに離脱した割合のことです。直帰率が悪いということは、そのままUI/UXが悪いことに繋がります。なぜなら、ページの内容やデザイン、コンテンツが魅力的であれば、ユーザーは「他のコンテンツも見てみたい」と思うはずだからです。
つまり、直帰率が低いコンテンツはUIが悪いことが分かります。具体的に改善するには、関連性の高い記事への内部リンクを設置したり、タイトルとページの内容を一致したりさせましょう。特に、タイトルとページの内容が一致していない場合はユーザーの期待を裏切ることになるため、UXも非常に低下します。
現状のコンテンツの直帰率が悪いのであれば、タイトルとページの内容が一致しているか、関連性の高い記事に内部リンクが設置されているかを確認しましょう。
レスポンシブとは、PCやスマートフォンなどの異なるデバイスであっても、整ったデザインで表示されるようにする仕組みのことです。Googleはレスポンシブデザインを推奨しているため、レスポンシブでないWEBサイトはUXと検索順位が低下します。
レスポンシブはコーディング方法の1つであるため、今後新たにWEBサイトを作成するのであれば、必ずレスポンシブにて作成することが大切です。
また、WordPressを利用しているのであれば、レスポンシブデザインのWordPressテーマを導入することで早期に解決できるでしょう。
ここまで、UI/UXやSEOの改善方法を解説してきました。最後に、UI/UX設計を行う際の考え方を解説します。
それぞれ順番に見ていきましょう。
まずは、モバイルファーストインデックスを理解しましょう。モバイルファーストインデックスとは、2020年9月以降からスタートしている考え方のことで、モバイルでの評価が先にランキングに影響を与えるGoogleの施策になります。
モバイルファーストインデックスが発表される以前では、PCでの評価がランキングに影響を与えていました。しかし、スマートフォンなどのモバイルデバイスが圧倒的に増えている現代において、モバイルでのデザインに対応しているかが非常に重要されるようになっています。
したがって、今後UI/UXを改善する際は、モバイルを中心に対策を考える必要があるということです。スマートフォンで検索した際にデザインが崩れていないか、画像が適切に表示されているかは最低限確認するべき項目でしょう。
UI/UXの改善は、中間でのゴールのようなものは存在するものの、改善が終わることはありません。なぜなら、時代によってユーザーから求められるデザインやUI/UXのレベルは変わるためです。そのため、ABテストを繰り返し、継続的にUIを改善することが重要です。
たとえば、ボタンの色を青から緑に変えてみたり、フリー画像をインフォグラフィック画像に変えたりすることが挙げられます。UI/UXのABテストの前後を通して、滞在時間や直帰率が改善しているかや、お問い合わせ数が増えているかを確認しましょう。
本記事では、UI/UXの概要や、SEOとの関係性を解説してきました。UI/UXは、コンテンツ以上にSEOに影響を与えることはないものの、SEOの評価を左右する重要な要素であることは間違いありません。だからこそ、モバイルデザインに最適化したり、ABテストを繰り返して、よりユーザーが求めるコンテンツへとブラッシュアップしたりすることが重要です。
まずは本記事で解説した内容を実践し、ユーザーが求めるUI/UXへと改善してみてはいかがでしょうか。